本文へ移動

木心創造工事回想記

アトリエ作り回想記(当時のブログより)2009年

1月26日 ようやく、屋根工事が終わり、瓦は落ちてこなくなって、雨漏りの止んだようです。
 部屋に入ってみると、天井は雨漏りで抜け落ちて、中は家具と本が、ゴミといっしょに詰まっています。ピアノまで、見えないくらい積まれています。とにかく、片付けないと何もできません。
 まずはゴミと大事な物を分けてゴミを捨てる事から、始めます。
どうやって、再生していくか楽しみです。
 いろんな所に昔の匠の知恵と遊びが詰まっています。昭和初期の建物を今の世によみがえらせる事ができるか!じっくりと、考えて、やっていきます。
 家族としての、街中のギャラリーか、カフェとして、宮崎にとっても大事な建物だから!
 
1月29日 昨日、西洋館の再生の工事、1日目でした。
 居間の中に入れない?ドアも物であふれて開かない?まず、持ち出したものを置く場所を作ります。
雨漏りで腐った物やどうしても使えないもの、初日のゴミだけで、トラック1台です。手前にあるものから、袋に入れて、確保した所に積みます。本と雑誌の量が凄い、次から次に出てきます。
 今日、仮の本棚を作りました。捨てる本と保存する本の分類場所です。
 明日も後片付けで1日終わってしまいそうです。
 
2月11日 天井も雨漏りで、ベニヤが腐って落ちています。きたない所は外して、新しくします。
 壁は漆喰を嗅がして、ベニヤが張ってありましたが、これも全部外して、漆喰の塗り直しです。
ようやく片付けは終わりかけました。二輪舎のトラック、五台分、捨てました。
 庭の整理も同時にやっています。今日駐車スペースが1ヶ所出来ました。いよいよ、床の落ちている所の土台を上げて、化粧の仕事が味まります。
2月18日 応接間をギャラリーに改造すべき、今日は、腐って落ちかけた天井板を壊していました。
 何しろ、80年、積もってきた、ほこりもいっしょに、きれいにしているので、すべてが誇りまみれです。
2月27日 夕方になって、注文していたベニヤが来ました。
 雨も降ってるけど、塗装をしました。3×6ベニヤ、9枚、染色スプレー塗装です。1枚で8枚の板、72枚の天井板が出来ます。
拭きつけながら、色を付けていきます。もう1回、晴れた日に仕上げ塗装で色を合わせていきます。
 当然、80年前の色にはならないだろうな。
 木の種類も、元は樺桜、今度はラワンです。なにを塗装してあるのかも、よくわからないし、ラワンで、桜の色を出す。!
80年前の仕事に挑戦です!昔の天井板の中に、バラバラにした、70枚の新しい板を埋めていきます。
 あくまで、再生ではありません。新しき仕事とのコラボ(共存)です。
3月4日 ひさしぶりに西洋館の工事に行きました。工房で仕上げた天井板をすべて取り付けました。ラワンの合板で作ってあるとは見えないですね。色の違いや、艶の違いがかえって、古い板と溶け合って、自然に見えます。
 いよいよ、壁仕上げに入ります。漆喰塗りなんて、まともにやった事もないけど、朽ち果てた畳の藁や、崩した土壁の土を混ぜて、
昔、使われていた材の風合いを残したいな!
3月19日 久しぶりに西洋館の再生の工事に行きました。今、壁の漆喰塗りの下地をやっています。
 先日、植え替えたもみじに若葉が芽吹いていました。駐車スペースを作るのに、やむなく移動しました。あまり掘り起こす事も出来なくて、立派に育った根をほとんど切ってしまいました。
 なのに、生命力の凄さ、根が生きているのか、裸の枝に、若葉が芽吹いていました。
 この建物の姿に、もうじき溶け合ってくれます。 
4月24日 昨日は看板屋、今日は左官屋さん、毎日やっている事が変わります。
 古い壊した壁の土や、わらや、漆喰を混ぜているので、毎回色が変わります。まあ、それも良いか、と不思議な模様になっています。
 太陽の光りと間接照明の灯りでどんな空間になるのか、楽しみです。
4月30日 西洋館の再生も壁の漆喰塗りも終わり、いよいよ床の木取りに入りました。
 二輪舎にある、いろんな板を集めます。樹種も幅も長さも違う板をランダムに貼る予定です。1日やってまだ半分の量しか、気取れませんでした。
 なるべくバラバラに!なるべく多くの木の種類を!白い色や、黄色い色、赤い色、みんな混ざって、年月がたって、自然な色になってきます。
 床の上の寄木細工を楽しみます。
 
5月21日 いよいよ最終段階です。古い床板を補強しながら、新しい板を貼っていきます。サイズも樹種も違う木をなるべくバラバラに貼っていきます。寄木みたいで、なかなか面白いです。まだ5分の1くらいかな?
 明日は半分まで行く予定?来週には電気屋さんも来ます。
 先週は、材料は足らなくなり、工房で板を制作、
いろんな所から、いろんな材を引っ張り出して、
本実(ほんざね)加工をして、ようやく終わりました。
 古い抜け落ちた床が見えなくなりました。10種類の樹のモザイク床です。寝転んで見ると気持ちがいいです!
 照明も付いていきます。古い壁板の塗装をどう治していくのか、考え中です?窓も壊れています。ガラスもきれいにしたいし?
 この部屋もまだまだかな?
5月27日 今日は電気屋さんも打ち合わせに来て、建物全体の電気容量も増やして、ブレーカーが落ちなくなります。
 この部屋の照明も来週には、完成予定、部屋がいっきに明るくなります。
 6月10日 雨の水曜日、電気工事です。
 なぜか、工房の2軒隣が、フリーの電気工事屋さんです。家具雄も手伝って、天井に上り、配線をして、無事、4個の灯りが燈りました。調光機が付いているので、明るさを自由にできます。
6月24日 応接間の再生も終わりに近づきました。
 完全に腐れて、動かなかった引き戸がスムーズに動きます。真鍮の鍵も取り替えました。剥がれていた塗装も、昔の色に似せて塗り替えました。
窓のカウンターは昔の色と傷を落として、タブの木の地色まで、磨きました。オイルを塗ったら、光ってきます。
 もうじき、この部屋が出来上がります。リトさん姉妹のアトリエになります。ピアノのある、ギャラリーにもなる予定!
 さー次は、どの部屋にするか?
6月27日 座り込んで、ひたすら仕上げています。巨大なカウンターの上に乗って、やっているみたいです。部屋中、埃だらけ、部屋中真っ白になっています。
 若いころ書いた文を思い出しました。
[お前のかおりなんか感じないほど、お前のほこりのつまった鼻の穴、まっ白にかたまった髪の毛、はれあがった右の手、デザイン・芸術・造形、そんなもんじゃないな、ただ1日中、お前にへばりついていただけだ。お前を切り・きざみ・けずり・しめて・こすって・さわっていただけだ。]
 二輪舎H・P 二輪舎が語った より
7月4日
 アトリエ完成
 1月29日から工事を始めて、半年近くかかってしまいました。80年分のゴミの整理から初めて、1週間に2日づつ、電気工事以外は、リトさんと二人でこつこつをやってきました
 ちょっとだけ休憩かな?
 まだまだ時間が掛かりそうです。この西洋館の再生には!
2018年12月10日
 10年ぶりくらいに、アトリエがきれいになりました。
床を磨いて、ワックスも掛けて!
作った頃のいろんな木の肌がよみがえりました。
 
 
デザイン工房 二輪舎
〒880-1222
宮崎県東諸県郡国富町大字八代北俣769-2
TEL.0985-36-6850
FAX.0985-36-6852

 
0
2
5
7
0
5
TOPへ戻る